brown wooden table with white ceramic mug on top

自分の言葉に責任を持つ、猫





★★★私の日常の中で、感じた事を書き綴りました★★★

昨夜の事。

夜中に突然『バンっ!!』と大きな音がして、セキセイインコが暴れる音で目が覚めました。音の方へ向かうと、飼い猫の茶トラがセキセイインコの部屋の前に居ました。

(セキセイインコの部屋とは、猫との共生のために作った1畳くらいの透明アクリルの鍵付き巨大ケースのことです。インコが安心して過ごせるように、特別に設計しています。)

夜は、安眠のためにセキセイインコの部屋ごと大きなカーテンで囲っていて、外側からは何も見えないのですが、中にインコが居ることは茶トラも知っています。

翌朝、私は茶トラ(彼)と話してみることにしました。

「昨夜のこと、理由を聞いていい?」

彼は、即座に言いました。

「言いたくない」

「でも、何か理由があるなら知っておかないと。一緒に暮らしているのだから」

「でも、言いたくない」

「そしたら、教えて。インコが何かあなたに何か言ったの?」

「ちがう」

「インコが嫌い?」

「嫌いじゃない」

「私に何かイライラした?」

「ちがう」

「もしかして、お腹がすいてムシャクシャしてた?」

「ちがう」

「そうなんだね。今までと違う行動だったから、何か意味があるのかな、と思って」

「……」

少し、沈黙の後、彼は話し始めました。

「自分でも、わからない。いつものようにぐるぐる歩いていたら、何か、急に、突発的に、衝動的に…」

「理由なく、やっちゃったってこと?」

「そう」

「だから、言いたくなかったの?」

「…うん」

その後、彼はしょんぼりして、全く元気がなくなったので、何も言えなくなりました。

私は、彼を譲り受けた時の事を思い出しました。

初めて会ったのは生後3か月の頃。彼は十分な食事が与えられない環境の中にいました。飼いたい気持ちはあっても、先住の猫がいたせいもあり、私は彼を引き取る覚悟が決まりませんでした。

耳ばかりが目立つネズミのようにやせ細った彼は、迷っている私の足にしがみつき、「僕を戻さないで。この家に居させて」と、伝えてきたのです。

「良い子になるから。僕、絶対良い子でいるよ。」

…あれから16年が経ちます。

彼は今でも、あの時の言葉以上、切ない程に良い子です。

「昨夜の事はわかった。でも、もうしないでね。」

「…できない、と思う」

「え?!」

「約束は、できない」

「どうして?」

「だって…昨夜だって、僕は知っていたよ。中で彼らが寝ていて、脅かしちゃいけないって知ってた。なのに、気付いたらやってたんだ。衝動的に。

だから、これからだって、

また、同じように内側で何かが起きた時、同じようにやってしまうかも知れない。だから…約束は出来ないんだ」

それを聞いて、私は自分が恥ずかしくなりました。

そうだ、この子は自分の言葉に責任を持つ猫だった…

自分が発する、ひとこと、ひとことの全てに責任を持つなんて、全然できていない私が、約束して!なんて言って。私は本当に薄っぺらだった。

言葉って、本来そういうモノのはずなのに、いつもすっかり忘れてしまう。

彼はいつでも、こんなにも真摯に向き合って話しているのに。

その後、彼はしょんぼりして、全く元気がなくなりました。抱っこしても、耳や尻尾が垂れて、脱力しています。

今までだって、いつだって、彼は精一杯、良い子でいようとしていた。

自分の言葉に責任をもって。私が何気なく発した一言一言を真摯に受け止めて。

今回の事だって、きっと私の想像を超えるほど自分を責めているのでしょう。

心なしか、毛並みまでボサボサに見えます。

「ごめんね。大丈夫だよ。大好きだからね。宝物だよ」

充分すぎる程、反省をしているのに、なおも、自分を責めているのが分かります。

2時間が経過。彼の心はまだ、うなだれていました。

ベッドの上で、こっちに背を向け、眠っているようなふりをして、私の動きを感じているようです。緊張した耳がこっちを向いています。

そして、さらに3時間。

やっと、顔がほぐれてきました。撫でるとゴロゴロと頬を寄せてきます。いつも、沢山の事を教えてくれてありがとう。

今回は、ペットとの対話を大切にし、彼らの気持ちに寄り添うことの大切さを改めて感じた出来事をシェアさせてもらいました。

飼い主の言葉や行動が、彼ら(ペット)にとってどれだけ大きな意味を持つのか、これからも忘れないようにしなければいけない、と思いました。

(この記事をお読みになって、何か感じた事や、皆様のエピソードがあったら、コメント欄で教えて下さい。m(__)m)

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参考文献:

「自分の言葉に責任を持つ、猫」への6件のフィードバック

  1. とっても素敵なエピソード、シェアしてくださりありがとうございます。
    読んでいて目頭が熱くなりました。
    私は犬を飼っていますが、どんなに注意しても誰かが玄関にいる気配を感じると扉の方に行って大きな声で吠えてしまいます。
    でも、誰も来ないとわかるとトボトボ戻ってきて、またやってしまったと言わんばかりの顔をして尻尾を下げながら申し訳なさそうに見つめてきます。
    一生懸命私が伝えることを守ろうとしてくれてるんですよね。
    でも、本能で吠えてしまう。
    彼の気持ちも考えながらコミュニケーションを取りたいと思いました。
    ありがとうございました。

    1. コメント、ありがとうございますm(__)m
      言いつけをちゃんと守ろうとしている、愛おしい子ですね。
      人間と同じく、動物との間にも『御縁』は繋がっています。
      一分でも一秒でも長く、元気で一緒に暮らしていけますように。

  2. さきゅう先生いつも気づきをありがとうございます。
    先生まさか猫ちゃんとお話出来るのですか・・・???
    (もしかしたら以前のブログのどこかに書かれていたのでしたら私が見落としていてすみません。)
    それも驚きですが、猫にそのような知性があるのも驚きです。
    そして、もしこのお話が夢や架空のものであったとしても、『自分の言葉に責任を持つ』という事に改めて考えさせられました。
    私は結構人の傷つく言葉を無自覚に発してしまったり、小さい約束を忘れて、人を傷つけてしまいます。人付き合いは苦手でも、人を傷つけたくはないので、言葉を発するということにもう少し気をつけたいと思いました。

    1. コメント、ありがとうございます。
      ペットの気持ちやご縁を知りたい、というご依頼を受けさせていただいているうちに、家の猫やインコとは割と気軽に話が出来るようになりました。
      この話は、昨日本当にあった出来事です。
      (今日の茶トラは、すっかり元気です。)

      言葉と自覚って、難しいですよね。
      良かれと思って言った言葉が傷つけてしまう事もあります。。
      これは一生勉強を続ける事の1つだと、私も思っています。
      m(__)m

  3. こんにちは
    猫好きなのでとても興味深いお話しでした。最近、家のデッキに来る可愛いノラ猫がいます。ご飯を食べた後に寛いだり寝たりしています。お家に入りたそうで網戸に手をかけたり、戸の隙間から入ろうとします。家の中にいる飼い猫とも目で会話してるよう…。
    わたしもおうちの中に入りたい
    と彼女の目が言ってる気がします。

    会話ができればいいけど、できないから、もっと仲良くなったら保護してずっとのお家を探してあげたいなぁと思っています。 

    なんだか、とっても気になる子(猫)っているんですよね。

    1. コメント、ありがとうございます。
      m(__)m

      YKさんの家が、居心地良いのでしょうね。
      きっと。ずっとのお家も、早く見つかりますように。

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